生成の庭 Garden of becoming

HUB - IBARAKI ART PROJECT 2025 開催のご案内

茨木市文化振興財団主催による「HUB-IBARAKI ART PROJECT」は、2024 年に新体制のもとで再始動し、地域に根ざしたリサーチと表現の場として歩みを進めてきました。

2025 年度は、京都とロンドンを拠点に活動するアーティスト・尾角典子を迎え、AI やセンサーなどの技術を取り入れた体験型展覧会「生成の庭」を 2025 年 12 月 4 日(木)から 12 月 21 日(日)まで開催します。

今回のプロジェクトでは、茨木市におけるリサーチを通じて集めた人々の声をもとに、来場者の感覚や動きに呼応するインスタレーション作品を発表します。

会場となる茨木市福祉文化会館(オークシアター)は、建て替えに伴い本展をもって取り壊される予定であり、長年市民に親しまれてきた建物で開催される最後の展覧会となります。

本プロジェクトの広報および取材へのご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

                                                              デザイン：本村信裕 nobuhiro motomura（STUDIO GIGI）

[ HUB IBARAKI ART PROJECT2025 概要 ］

尾角典子 『生成の庭 』

日時｜2025年12月4日 - 12月21日　木金土日のみの開催

時間｜12:00 - 19:00

入場料｜500円(花の種付き）　
大学生以下無料 (学生証提示要） 
茨木市在住・在勤　平日のみ無料 (要証明書提示）
※土日祝は市外・市内問わず入場料500円

場所｜茨木市福祉文化会館（オークシアター）3階
〒567-0888 大阪府茨木市駅前四丁目７番５５号
　　　（アクセス JR茨木駅から東へ徒歩８分、阪急茨木市駅から西へ徒歩９分）

<関連プログラム>

アーティストによる展覧会ツアー
日時 | 12月4日（木・初日）、14日(日)、20日 (土)　13:00〜／各30分
会場 | 茨木市福祉文化会館（オークシアター）3階
参加料 | 無料(展覧会入場料別)・要予約 
尾角典子とともに展示室を回りながら、展覧会の意図や作品の解説を行います。
予約▶︎https://ws.formzu.net/sfgen/S36664627/

言葉と視点の刺繍ワークショップ

日時｜12月7日（日）13:00 - 17:00頃
集合 | 茨木市福祉文化会館（オークシアター）1階｜茨木市 市民総合センター【クリエイトセンター】 １階 喫茶・食堂
展覧会場をめぐり、そこで見つけた言葉や印象を布に刺繍します。手芸が初めての方も歓迎です。刺繍した布は尾角がポーチに仕立て、後日お渡ししますクリエイトセンターでの受け取りまたは、着払いで郵送）。
参加費｜3,500円（展覧会入場料込み）・要予約
定員｜10名
予約▶︎https://ws.formzu.net/sfgen/S1939088/

アーティストトーク
アーティスト本人が作品背景や本プロジェクト・作品についてお話しします。
日時｜12月13日（土）14:00 - 15:30 
会場｜茨木市 市民総合センター【クリエイトセンター】 １階 喫茶・食堂
参加費 | 500円（お茶付き）・要予約
予約▶︎https://ws.formzu.net/sfgen/S84617279/

＜ディレクターステートメント　内田千恵＞

茨木市文化振興財団に移管されリニューアルした「HUB-IBARAKI ART PROJECT」。二年目となる今回は、京都とロンドンを拠点に活動するアーティスト・尾角典子を迎え、大阪では初めてとなる個展を開催します。本プロジェクトは、アーティストが茨木市をリサーチすることを軸に、そこで生まれる学びや気づき、対話をもとに作品が立ち上がる過程を重視しています。

尾角は、イギリスでアニメーションを学んだのち、コラージュを基盤としたアニメーション作家として活動をはじめました。断片を切り取り、重ね合わせ、新しい物語を立ち上げるその方法は、近年のインスタレーションやVRといった多様なメディアへと展開しても、一貫して彼女の制作の根幹にあります。神話や哲学から量子力学などの現代科学に至るまで、幅広い領域への関心をもとに異なる要素を結び直すその姿勢は、常に「コラージュ」という思考に支えられています。

​​尾角が茨木でのリサーチでまず着目したのは、「堆積層 (地層）」という視点でした。物質や記憶が時間とともに積み重なり、断絶や変容を経て新たな景色を生み出す。そのプロセスを、彼女は「茨木市をかたちづくってきた人々の声」を素材として収集し、コラージュの技法に重ね合わせました。さらにAIという異質な技術を共存させることで、アナログとデジタルが交錯しながら、土や植物が育まれる「庭」のように生成と循環を繰り返す空間を構築します。

人々の声はコラージュの断片であると同時に、この土地と未来をつなぐ層となります。本展では、来場者は単なる観客にとどまらず、この循環を担う一つの要素として加わり、新たな時間の層を共に築いていきます。

会場となる福祉文化会館会館は、長年地域で親しまれてきましたが、まもなく取り壊される予定です。本展を通して来場者に手渡される花の種が、この場所がなくなってもそれぞれの生活の中に芽吹き次の土壌へとつながっていけば幸いです。

＜アーティストステートメント　尾角典子＞

私の関心は、「変容」するものそのものです。土地に根ざした民話や語りは、時代や人々の手を通して形を変えながら受け継がれ、現代ではデジタル技術も介入し、物語や記憶は新たな形へと変容していきます。私はそれらを物理的な土地や環境と絶えず影響し合う生きた情報のエコシステムと捉えています。

茨木での制作では、市民の声を集め、日々の営みが街という「庭」を育む様子を実感しました。その営みはやがて層となり、痕跡となり、新しい景色を生む養分へと変わっていきます。今回の展示「生成の庭」では、こうした声をデジタルとアナログで交差させ、土の循環を意識しながら、生きた場をつくることを試みました。

庭の要素は互いに作用し合い、芽吹き、変化します。「生成の庭」は完成された作品ではなく、関係性の循環そのものを体験する場です。ここから新たな気づきや視点の種が生まれることを願っています。

尾角典子 Noriko Okaku

1979年 京都生まれ。2003年Chelsea College of Art and Design ファインアート・メディア卒業。2005年 Royal College of Art アニメーション 修士

ロンドンと京都を拠点に活動。哲学や科学、神話や民間伝承など多様な要素を組み合わせながら、コラージュを中心にアニメーション、インスタレーション、パフォーマンスなど幅広い表現を展開している。VRやAIなどの最新技術も取り入れ、解釈や意味の揺らぎを探る作品を生み出している。

主な展示やパフォーマンスに「# 拡散展」十和田市現代美術館 space、2024）、「THAT LONG MOONLESS CHASE / その長い月のない追跡」（金沢21 世紀美術館 &21+、2023）、「VOCA 展 2019（上野の森美術館、東京）、「The Interpreter」（QUAD Gallery、イギリス、2015）など。

「#拡散展」2024年
Photo: 小山田邦哉

「デンキノカミサマ」　2024

「Air Lines」2023年

提供：羽田みらい開発株式会社
会場：HANEDA INNOVATION CITY

《Visual for Yamawarashi》2022　

HUB-IBARAKI ART PROJECT

Ekimae, 4-6-16, Ibaraki
Japan

公益財団法人 茨木市文化振興財団

567-0088　大阪府茨木市駅前四丁目6番16号
茨木市市民総合センター（クリエイトセンター）１階　文化事業係　

TEL：072-625-3055（10:00~17:00）

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